四季の庭から Hiraoka's Blog

2021.02.23

ヒトツバタゴ

横浜で造園した庭でメインにヒトツバタゴを使いました。別名をナンジャモンジャといいます。明治神宮の近くにこの木があり、名前がわからなかったので「何の木じゃ?」呼ばれているうちに いつのまにか「なんじゃもんじゃ?」という変わった名前がついたそうです。木の樹形、幹肌が少しゴツゴツと硬さのある印象に育ちます。

柔らかな雰囲気をもった株立ちの雑木が使われるのが一般には流行っているようですが、そのような樹形の木ばかり使い、全体的にぼやけた印象になっている庭をよくみます。庭にキレと強さを出すようなポイントを作ると、柔らかさと強さが対比されてどちらの良さも際立って良く見えてきます。

その組み合わせ方は難しいのですが、何気なく自然に感じるバランスでおさめるのが大切です。

今回使った物は、横方向に曲がりながら伸びた癖の強い個体でした。すぐ後ろに真っ直ぐ縦に伸びたサワラを植え「常緑の背の高いサワラと建物の影にならないよう、日の光を求めて仕方なく曲がりながら横に成長した」というストーリーになるようにしています。脇役のサワラのおかげで玄関とアプローチの上に横枝をのばしたヒトツバタゴが無理なくおさまりました。おかげで緑の木漏れ日や四季を感じやすい玄関前の景色になりました。

まだ冬で葉がでていないので控えめな印象ですが、幹肌や枝のゴツゴツした感じがよくわかります。

春の新芽。5月に咲く白花が楽しみです。花が咲いたらまた紹介したいです。

 

 

 

神奈川県横浜市金沢区にて

SAKUTEI HIRAOKA